これは、HHKB Studio(日本語配列) を Dvorak配列にリマップした記事である。
買っちゃった
鳴り物入りで登場した HHKB の新しいシリーズ、「HHKB Studio」。 ポインタスティック付きのキーボードに興味がないことはなかったが、何よりも複雑なキーリマップに対応しているらしいことに強く興味が惹かれた。
いつもソフトウェアリマップで実現しているDvorak配列を、ハードウェアリマップで実現できる可能性がある。 たとえばソフトウェアリマップが期待できないPS5に接続してもDvorak配列を持ち込めるようになるのだ。実際にキーボード操作をする機会があるかはさておき。
ということで、ショップに張り付いて HHKB Studio 日本語配列 を購入した。
https://x.com/Yajamon/status/1735863068356391151?s=20
Dvorak 配列にしたい
私は普段からDvorak配列を使っている。Windowsではソフトウェアリマップを利用して、macOSではキーボード設定によって実現している。
Dvorak配列とは、キーボード配列のひとつである。 母音が左手のホームポジションに集中しており、右手と左手の指を交互に使うので、英語のみならず日本語のローマ字入力にも有効な配列だ。
しかし、一つ問題がある。Dvorak配列とは、US配列のキーボードをベースに再配置した配列である。 これに対し、HHKB Studio(日本語配列)は記号類が期待した位置にない。
たとえば、
@
がShift + 2
に無い'
がShift
キー入力なしに入力できない
といったものだ。
日本語入力等の都合上、英語配列に切り替えるつもりはないので、Dvorak配列に求められる細かな違いもリマップによって実現したいと考える。 この複雑な要求に答えてくれるのが、 HHKB Studio および そのリマップなのだ。
HHKB Studio リマップの特徴
HHKB Studio のリマップは、以下の特徴がある。
- プロファイルを4つ持てる
- プロファイルごとに、標準キーレイアウトを1つ、Fn1-Fn3キーと同時押しで使う拡張キーレイアウトがある(合計4つのキーレイアウト)
- Windows用、macOS用、Dvorak配列用(Win)と3種のプロファイルで運用することにした
HHKB Studio リマップの制約
HHKB Studioはリマップが柔軟になっているが、いくつか制限がある。
- Fn1-Fn3 キーは、標準キーレイアウトにのみ設定できる
- Fn1 キーレイアウトは、上書きできない予約キーがある
- プロファイル切り替えに使う
C
など - 予約キーの位置は、標準キーレイアウトでの位置に引きずられる
- プロファイル切り替えに使う
リマップする
これらを踏まえ、以下の方針でリマップする。
- 割り当てるキーの種類に「ショートカット」がある
Ctrl
キーや、Shift
キーと同時押ししている入力を、単一のキーに割り当てられる- これで、ハードウェア的には
Shift
キーを押さずとも、'
を入力できる
- Fn3 キーレイアウトを使う
- 初期設定では未使用のため、何を設定してもよい
- Fn3 キーを左
Shift
の位置に割り当て、レイアウトの内容のほとんどをDvorak配列でShift
同時押しで期待するものに置き換える
そうしてできたリマップが以下の画像である。
https://x.com/Yajamon/status/1735947130173579576?s=20
Dvorak配列に置き直したキーだけでなく、Tabやクリックボタンに関しても Shift
同時押しショートカットを割り当てられたおかげで、違和感のないDvorak配列を実現できた。
現在の設定をGistで公開した。 Profile 3
に Dvorak配列が設定されている。なお、Profile 1, Profile 2にも独自の設定があるので注意されたし。